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ヴェルファイアは、トヨタ自動車が製造・販売する大型高級ミニバンである。
アルファード(2代目以降)の兄弟関係である。製造はトヨタ車体いなべ工場が担当している。アルファードのフルモデルチェンジに伴い、それまで同車のネッツ店向けモデルとして販売されていたアルファードVから独立した車種である。
上品さや洗練さを謳うアルファードに対し、ヴェルファイアでは力強さや先進性を謳っており、フロントマスクも上下2分割のヘッドライトを採用するなどアルファードより尖鋭なデザインとなっている。また、リヤに関しても同じネッツ店扱いのヴォクシー同様、クリアタイプのコンビネーションレンズを採用するなどしてアルファードとの差別化が図られている反面、エンジンなどのパワートレインや室内装備などはアルファードと共通化されている。
また、2019年10月まではネッツ店専売車種であったため、フロントエンブレムにはヴィッツやウィッシュなど他のネッツ店専売車種同様に「Netz」の頭文字"N"マークがあしらわれていた。アルファードVはネッツ店のフラッグシップ車であったが、ヴェルファイアもそれを引き継ぎ、全車種扱い開始前の車種としては最も高価であった。なお、2019年12月に発表された一部改良で、フロントエンブレムはトヨタのCIに変更された。
姉妹車のアルファードと共にフルモデルチェンジ(ヴェルファイアとしては初のフルモデルチェンジ)。
外観はフロントデザインに金属を削りだしたような縦幅の広いメッキバーのフロントグリルに二段ヘッドランプを鋭くかみ合わせ、ラッセル車のような形状のアンダーバンパーで支える構成を採用。リアデザインはクリアのリアコンビネーションランプの上下をブラックアウトし、ライセンスガーニッシュを左右で挟み込む構成とした。また、エアログレード(「Z」系)はサイドスポイラーを備えた低重心スタイルとしたほか、ロアグリルは大型メッキベゼルを配した台形形状とし、アンダースポイラーを突き出してアッパーグリルを支える構造とすることで、重厚感を強調したダイナミックな迫力を表現している。
内装では、茶木目調は杢柄の間に金属的な輝きを持たせて深みを表現。黒木目調はホログラム層を世界で初めて下地に採用し、杢柄をダークカラーで表現するなどしてグレードによりデザインを明確化。ボディカラーには新規色の「バーニングブラッククリスタルシャインガラスフレーク」を含む7色を設定した。
走行性能においてはリアの足周りにダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用し、高張力鋼板の採用範囲拡大や構造用接着剤の導入などによるボディ剛性強化と相まって乗り心地と操舵安定性を向上。また、鋼板と鋼板の間に制振材などを挟み込んだ積層構造の複合鋼板であるサンドイッチ合板を使用するなど制振材や吸遮音材を効果的に配置し、風切音に有効な形状とすることで、乗り込んだ時から高速走行に至るまで静粛性を実現した。
フロアを低床化したことで全高を低くしながら室内高は2代目と同等レベルの1400mmを確保し、ロングアシストグリップを装備してステップ高を低くしたことで乗降性を向上。サードシートのスライド機構下に世界初となる大容量ラゲージ収納(148L)を確保し、デッキボードは3分割式に変更。一部グレードにはセカンドシートと同じレール上に設置することで最大1160mmのシートスライド量を実現した助手席スーパーロングスライドシートを設定した。また、LEDルーフカラーイルミネーションを全車標準装備し、スマートキーで事前予約設定を行い、車両に近づけることでスライドドアが自動解錠して開くウェルカムパワースライドドアとスマートドアが閉じはじめる時に受け付け、完全に閉じたタイミングで自動施錠する予約ロック機能を備えた世界初のスマートエントリー&プッシュスタートシステム(ウェルカムパワースライドドア&予約ロック機能付)を一部グレードに設定した。
装備面も強化し、インテリジェントクリアランスソナー(8センサー)、プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)、世界初の機能を備えたパノラミックビューモニター(左右確認サポート+シースルービュー機能付)やインテリジェントパーキングアシスト2を一部グレードに設定した。